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ロードバイクで四国一周旅⑧ 6日目

6日目 あぐり窪川→大月

4月1日(金) 走行距離187.39 km 獲得標高1,238 m

青がこの日走ったところ

前日に臨時休業で押せなかったスタンプポイントの「あぐり窪川」が8:00開店なので、7:30頃宿を出発。朝食は7:00頃だったのだが、ほかの宿泊客は全員既に朝食を済ませており、私が出発する頃には全員チェックアウト済みだった。

あまり愛想の良い女将さんではなかったのだが、最後に「今日は晴れてよかったですね」と笑ってくれた。

 

あぐり窪川」へ戻り、開店を待つ。

良い天気

ここまでで一番良い天気かもしれない。ここからは四万十川にそって内陸部を走るコースになる。平坦なのと、特に見たい観光施設もないので、この日で走れるだけ走ってしまいたい。

本当は「海洋堂ホビー館四万十」へ足を運びたかったのだが、リニューアルオープンが4月2日からで翌日からだったのだ。どう計算しても、この日中に宇和島城にできる限り近づいておかないと、予定日までに帰れなくなってしまう。ので、残念ながら没。

スタンプを押してすぐに出発する。

8:20ごろ この旅初めての内陸部の景色

 

8:50ごろ 左手に四万十川を見ながら飛ばす

8:59 谷に沿って走っていく

 

9:11 スタンプポイント 四万十大正

本日最初の道の駅。トイレだけ借りて先へ。

これまでずっと海岸線を走ってきたので、内陸の景色で気分転換になる。

9:11 四万十大正

9:42 菜の花畑

10:10 スタンプポイント 四万十とおわ

四万十とおわ

朝食が軽かったので間食。この旅のいいところは道の駅めぐりになっているので地域のB級グルメを食べられるところ。意外と魚介類以外の特産品があってありがたい。

四万十の四と豚の鼻のデザインはうまい

 

1周チャレンジの公式サイトにも載っていた沈下橋四万十川が大雨で増水しても流されないように欄干が設置されていない。結構な数が設置されていて、その内の1本。とはいっても作りも最近で歴史的建造物ではない。

10:32 沈下橋のうちの1本

朝宿を出てからずっと四万十川沿いには桜が植わっていて本当に良い道だ。3月の末から4月の初旬が四国1周を一番楽しめるんじゃないだろうか。多くの社会人はこの期間に休みを取り辛いのが本当に勿体無いところ。

桜溜り

10:50 スタンプポイント よって西土佐

ここで昼食。から揚げ定食。確かレストランの開店と同時に入ったんだった。次のスタンプポイントは足摺岬を通り過ぎた先なのでかなり距離がある。だから早めに食事を済ませる。

もちろんおいしかったのだが、一番覚えているのは、隣のテーブルで70位のおばあさんを娘さんがずっとネチネチ説教してたこと。言い方がきつくてなんかかわいそうだった。事情は知らないけど。

昼飯

 

 

ここまで良いペースで走れている。天気もよく桜も映える。桜も海も光が当たらないと灰色で別の景色に見える。

12:45 桜

さらに90分ほど走ると、四万十川下流になり、川幅が広くなる。

13:20 海が近い

 

14:30 足摺宇和海国立公園

足摺岬はスタンプポイントではないので、次のスタンプポイントの「めじかの里」へ直行することもできるが、あくまで観光で来てるので、寄る。半島はどこもそうだが、山がちで結構なアップダウンがあり、距離の割りには時間がかかる。

たまらん景色

15:24 木のトンネル

大学生までは都心に住みたいと思っていたが、今ではたまに都心出たときに地下鉄に乗るのも嫌だな。おじさんの多くがキャンプを始めたりするのは、やはりコンクリートジャングルで暮らしているうちに心が悲鳴を上げるからだろうか。

別にヒルクライムが好きわけではなくて、日本で自然の中を走ろうと思うとヒルクライムになってしまう。

 

 

15:25 足摺岬 着

アップダウンがあり半島の根元から足摺岬まで1時間ほどかかった。

15:25 入り口

私はあまり事前に下調べをしない。面倒なのもあるが、事前に詳細に調べてから走るより、行き当たりばったりで出会うほうが楽しいからだ。

なので足摺岬もまったく知らない来たので、自転車を押して入ろうとすると、観光案内所の人に止められた。押していける道ではないそうだ。

観光案内所の裏に自転車を止めて、靴を履き替えて観光開始。

こういう世界観

あえてキリンレモンが写るように撮ったが、こんな地形が日本にあるなんて知らなかった。サスペンスで犯人が追い詰められて、身投げするところを鬼刑事(人情派)に止められるような地形が広がっていた。

これを、事前にインターネットで調べて画像を見てからここにきたのでは、この驚きはないと思う。なんか有名な岬があるのか、どんなのか知らんが行ってみよう、程度がいいのだ。

向こうの灯台も行ける

私はよく、居合わせた他の観光客の写真を撮ってあげるのだが、そうすると相手も私の写真を撮ってくれたりする。この日も6人の家族連れの写真を撮ってあげたら私の写真も撮ってくれた。

こういう道でつながっている

灯台

45分ほど観光してスタンプポイント「めじかの里土佐清水」を目指す。

17:30までに「めじかの里」でスタンプを押せるかどうかで、次のスタンプポイント「大月」付近までもう40km走れるかどうか変わってくる。それが翌日に宇和島城の観光を済ませられるかに影響して、もし観光できなければ、2日後の午前中は宇和島城の観光に使うことになる。玉突き事故式に予定が遅れるのでなんとしても間に合わねばならない。

 

 

16:27 臼碆(うすばえ)駐車場から足摺岬への眺め

足摺岬を出てからはかなりのスピードで走る。この時点で残り1時間。誘惑に負けて写真を撮るが結構必死。

時間がないのであきらめようと思っていたのだが、竜宮神社の入り口をみて見に行くことを決意。靴を履き替えて竜宮神社まで走る

竜宮神社入り口 ここまで来たなら見たい

海岸の岩の上におかれた神社らしい。当然海抜0m辺りまで降りてこなければいけない。

先端にあるのが竜宮神社

16:40 竜宮神社

息を切らせながら手を合わせ。急いでるんですみません。とすぐに引き返す。

降りたら登らねばならない

ぜぇぜぇいいながら入り口に戻ってきたのが16:47。タイムリミットまで残り43分

 

そこからは登りは立ち漕ぎで駆け上がり、平地では下ハンを握って、ZwiftでTTをしてるときのように走った。気分はペペ・ベネンヘリ。

佐清水の町を抜けてサニーロードに入り、残り5kmの看板が目に入ったとき、残り時間は10分。平均時速30kmで走らねばならない。

 

と、そこからまさかの登り道。懸命に登るが速度も20km近くまで低下。

閉店直後なら、お願いすれば押させてもらえるかもしれないので頼んでみようと、半ば諦めながらダウンヒル。その後1.5kmの看板が見えた時点で残り時間3分。あれ?これさっきの5kmの看板の距離適当だった系か?とラストスパート。

駐車場に入りロードを降りたのが閉店15秒前。

スタンプは屋外設置

屋外設置だったので、店を閉めてから仕舞いに出てくるまで数分の猶予はありそうだったが、ともかく間に合った。

後は次のスタンプポイントの大月の近くで宿を探してゆっくりたどり着けば良い。

 

 

18:25 叶崎灯台


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ベルリーフ大月という宿に予約を入れ、この日の寝床を確保する。次のスタンプポイントの大月から5kmほど南にある宿だ。

1時間近く全力で走って疲れたので、あとはゆっくり走っていく。

途中に叶崎灯台というのがあるようなので寄る事に。

他に誰もいないので、靴を履き替えた後、シューズを駐車場に置いたまま、ロードバイクを押して灯台へ。夕焼けが終わり空が暗くなり始めている。

 

写真を撮ったり灯台の説明書きを読んだりして、駐車場に戻るとシューズがない…。

当たりを見渡すと、先ほどまで居なかった車が止まっている。声をかけると、50歳くらいの女性が猫に餌をあげていた。

シューズは忘れ物だと思って持ち帰るところだったらしい。お礼をいって靴を返してもらう。

この女性は地域のボランティアの方で、ここの猫に毎晩餌をあげているらしい。そのまま30分近く話しこみ、色々な話を聞いた。

今はかなり数が少なくなったが、一番多いときは数十匹の猫が居たこと。ここの猫は捨て猫で、ここに猫がいっぱい居るとSNS等で話題になると、猫に暮らしやすい場所だと勘違いしてここに捨てに来る人が増えること。この一帯は冬は海風で凍えるほど寒く、夏は台風の通り道になることが多いが、風を防ぐものが何もないこと。風を防ぐためにテントを設置したが、こともあろうにそれを面白く思わない別の地域のボランティアからのクレームで撤去することなったこと。猫に餌をくれる観光客も居るが、無知から猫が中毒を起こすようなものをあげる人も居ること。家には既に元捨て猫だった猫が何匹も居てさすがにこれ以上飼えないこと。など。



室戸岬に居た猫も、そうして捨てられた猫たちだったのかもしれない。

こんな街灯もなく真っ暗な寂しい場所に毎晩一人で通い、猫たちに餌をあげ続けるなんて、本当にすごい人だと思った。

しばしば、自己肯定感や承認欲求のために動物愛護に傾倒する人間が居たりするなか、(実際そういう人間のせいでここの猫のためのテントが撤去されたのだが)この人は本当の善人であった。

そうはいってもやはり寂しいのか、もっと話したそうにされていたが、まだ先ほどのチェックポイントと宿の中間地点であり、私も真っ暗な中、まだまだ走って宿に着かねばならないため、挨拶をして別れた。

別れ際にジュースまでいただいてしまった。

これを書いている今日も、彼女は真っ暗な中猫に餌をあげているのだろうか。

 

 

20:40  ホテルベイリーフ 着

到着が遅くなる予定だったので、夕食抜きのプランだった。到着前に、近くになにか食べ物を買う場所がありますか、とフロントの人に尋ねると、ホテルから5kmほど反対方向に行った先のコンビニしかないという。

昼から何も食べてなかったし、食べる暇もなかったし、スタンプのために全力疾走してくたびれていた。なのでコンビニの前で貪り食って、ホテルへ。

google map上でしか確認しないのでいつも出たとこ勝負なのだが、走ってみると、このホテルは山の上に建っていて、コンビニから5km最後の力を振り絞ってヒルクライム

 

20:40にチェックイン、ロードバイクはホール内に停めさせてくれた。

この豪華さ

ロフトまである

部屋はベッドが3つもあり、独立した離れになっている。これで6000円くらいだったと思う。しかも大浴場付。1週間くらいここで暮らしたいような、これ以上ないくらいお勧めの宿だ。

 

少し無理をしたが190km近く走ることができた。ここまで来れば翌日に宇和島城を見ることができそうだ。

大浴場に90分ほどつかり就寝。

 

 

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