第十二条の十二 学校は、教育活動の一環として部活動を設置及び運営するものとする。
2 校長は、所属職員(事務職員等を除く。)に部活動の指導業務を校務として分掌させることができる。
となっている。
次に問題なのは、この命令はどこまで及ぶのかである。具体的に言えば
①校長は(振替休日を与えれば)勤務時間終了後の部活動の指導監督を命令できるのか
②校長は(振替休日を与えれば)土日祝日の部活動の指導監督を命令できるのか
の2点である。
これに関しての問い合わせは、はじめは教育委員会には完全に無視された。それでも手を尽くして何とか教育長から(教育長名義で)回答をいただいた。(経緯はまた書こうと思う…)それによれば:
①勤務時間後の部活動は顧問が活動する旨を申請して校長は認可する立場である。
②土日も同様に、顧問が活動する旨を申請して校長は認可する立場である。
とのことだ。
まとめると、部活動の指導は東京都では、勤務日の17時までは仕事である。しかし、それ以外の活動については顧問のボランティアであって仕事ではない。つまり、顧問がやりたいならやらせてやる、だ。
これは実にふざけた話である。平日の17時まででは部活は成り立たないのを知っていて平気でこういうことを言うのだ。
無知な教員に対しては、「部活の指導は教員の仕事ですよ、土日の活動も副顧問と協力してやってください」としれっと顧問を割り振り、
保護者・生徒に対しては、「本校は部活も盛んですよ、大会でもこんな結果を出してるんですよ」と説明し宣伝材料にする。
教員を志す者に対しては「教員のブラックな労働環境は改善するつもりだ」といい、
私のように権利を主張する者に対しては「17時に生徒を帰すのがあなたの仕事ですよ、勤務時間外の活動の命令なんて最初からしてないんです。」という。
こんな恥知らずなことをずっとやっているのである。
部活は最初から破綻している。
勤務時間内だけでは部活動は成立しない。これは高体連主催の公式戦がことごとく土日祝日に行われているという事実だけで十分だろう。全教員が17時で生徒を下校させ土日を家族と過ごせば甲子園はその日のうちに消滅する。
教師に命令してタダ働きをさせることはできない。これは基本的人権の問題だ。
では仕事と位置付けることができるか。できない。仕事と位置付ければ残業が存在することになり残業代が発生する。残業代を支払ったり部活動指導員を雇う財源はない。
じゃあ生徒から部費をとれるのか。貧困にあえぐ子供達からスポーツに触れる機会を奪うことになるし、裕福な保護者も部活は無料で受けられるサービスだと考えるようになってしまった。
この国はこの全方向に破綻したシステムを、教員採用試験の倍率、すなわち未来の教員の質を犠牲にしながら、稼働させ続けることを選び続けてきた。
教員の劣悪な労働環境が問題になり、採用試験の倍率が2倍を割るどころか全入時代に突入しようとしていて、なお、その原因の1位である部活動にメスが入らないのがその証拠だ。
このシステムを維持するには、今まで通り、無知な教員が自ら進んでか同調圧力によってか部活動顧問を"志願"するように仕向けるしかない。
この国は戦後80年も経っても未だに特攻隊のようなことをやっている。
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部活の話はまだまだ尽きないのでまた書こうと思う